キリコ 〜美術モデルのつぶやき〜

モデルの仕事から芸術の雑感まで、美術モデルのキリコがつづるお話です。

2009-11

携帯の恐怖

この間、デッサンのモデルをしていたとき…
ポーズの途中で、たまたま目線の先にいた描き手さん(若い女性)が、携帯を取り出していじり始めたのが目に入りました。
写真撮影はもちろんですが、携帯だって本来はご法度。

とにかくびっくりして、ポーズ中にもかかわらず(というより、ポーズ中だからこそ)、その描き手さんに
「そういうの(携帯とりだしていじるの)やめてください」と言ってしまいました。

その描き手さんは一応、携帯で音楽を聴いていたので、こちらにカメラを向けて写真撮影をしたわけではないのですが、携帯にはカメラがつきものでしょう。

やっぱり、携帯を表に出されるとちょっと…。
怖いとまではいかなくとも、あまりいい気持ちはしないです。

そのうち、先生が気づいて注意すると彼女はすぐに携帯をしまったのですが、今度はipodを取り出したのでした。
写真を撮ってるわけじゃない、でも…
そうやって注意を受けた後ですぐまた別のものを取り出してくるっていうことは…
もしかしたら、「なぜ注意されたのかわからなかった」んじゃないだろうか。

全ポーズが終わった後で、先生がすぐ謝りに来てくださって恐縮しました。
が…本人は、果たしてわかってくれているのか。
もし、「今日はなんだかわからないけど、モデルに怒られちゃった」になっていたら…悲しい…



 追 記 

私は、ことさらにモデルを丁重に扱えとは言いませんし、思っていないつもり…です。一応。
それにポーズ中のルールにしても、「すべきこと・すべきでないこと」の線引きはモデルや描き手さん、アトリエなどによると思います。
それに第一、失敗は誰にでもあることですし。

でも、「これをしたら相手は嫌だろうな、うれしいだろうな」と想像できない人やそれをしない人を相手には、この、裸で人前に出る仕事はしたくないというかできないなー…と改めて感じました。


いや、それは美術モデルに限らずあらゆる仕事についてそれが言えるし、仕事以外のあらゆる人間関係にもそれがいえるでしょうけれども。

コメント

モデルさんの人権問題です

キリコさん、大変でしたね。でも、こんなことに負けないでモデルをお続けください。

携帯電話は大問題ですね。それにインターネットの発達で、たちどころに写真がネット上に配信されてしまう。これはモデルさんの人権問題ですよ。アダルト・サイトに配信されでもしたら、取り返しが付かない。これでは美術モデルをしてくれる女性がいなくなってしまいますよ。

「モデルさんの写真撮影は禁止です。」と張り紙しているところもありますが、その意味がわかってない人もいるのではないでしょうか。有名タレントの商業上の肖像権の問題と同じと思っている人もいるかもしれない。コンサートなどで携帯で隠し撮りしてる人を見かけますけど、 美術モデルの場合はそれ以上に深刻な問題があるということが分かってない。

そうだと、「今日はなんだかわからないけど、モデルに怒られちゃった」になってしまいますよね。

「でも、「これをしたら相手は嫌だろうな、うれしいだろうな」と想像できない人やそれをしない人を相手には、この、裸で人前に出る仕事はしたくないというかできないなー…と改めて感じました。」

モデルさんに対するマナーは女性に対する普通のマナーと同じだ、という当たり前のことがわからないとしたら怖いですね。裸で人前に出られるのも、このマナーがあってこそでしょうから。

背広と絵画と電力

背広と絵画と電力なんて何の関係かとお思いでしょう。
不況の時に買わなく(使わなく)なる代表だそうです。
庶民〜産業界まで最も適切な対応を取ると「整合性の誤謬」とやらで不況が加速するとか。
少なくても一年間は横這い状態かも知れませんね。

キリコさん、梅雨時期は腰と手術の痕に負担を掛けないで下さい。
ご自愛専一に

単純だけど難しい問題

本文につい「相手のことを考えて…」などと書いてしまいましたが。

ヌードの美術モデルに対してどう接すればいいかというのは、初めての人には教えなければわからないところがありますよね。

でも、私が描き手として別のクロッキーサークルにいたころも、男性でしたがヌードモデルのポーズ中に携帯メールをしている男の子がいました。
私はその子に一応注意をしましたが、そのモデルさんが気にしていたかどうかはわかりません…。

ところで今回携帯を取り出していたのは、本文にも書きましたが若い女性だったのです。男性ならセクハラ感情(?)が混じっている可能性もありますが、この場合はやっぱり「わからなかった」のだと思いました。

こうした面において、ネット・携帯・ポータブル機器(携帯もそうですが、音楽とゲーム)の功罪は大きいと思います。

機械(道具)をうまくつかうために、人間同士のコミュニケーションをうまくしていかないといけないですね!

モデルさんが女性であることを忘れないで

「ヌードの美術モデルに対してどう接すればいいかというのは、初めての人には教えなければわからないところがありますよね。」

そうですね。私も若い頃、失敗したことがあります。遅刻してドアを開けてしまったことがありますよ。そのときは誰にも注意をされませんでしたが、ドアにはちゃんと書いてありました。「ポーズ中の出入りは禁止です。休憩時間までお待ちください。」と。

それを自分なりに解釈して、皆がクロッキー中に出入りすると集中力が途切れるから禁止なのだと。それなら迷惑にならないように静かに入ろうと。

皆が、ではなくて、モデルさんが迷惑と感じるから禁止なんですよね。モデルさんが女性であるということが分かってなかった。モデルさんはプロなんだから裸に全然抵抗がないのだろうと思ってしまうんですね。「それは違うぞ」とモデルさんが声を上げないと、分かってもらえない。だからこそ、キリコさんのブログは大切なんですよ。

裸婦を描きたいと思い人はモデルさんのブログをよく読んでから参加すべし。それが一番の初心者教育ではないでしょうか。私が若い頃にはインターネットなんてありませんでしたから、モデルさんの気持ちを想像するしかありませんでしたよ。モデルさんは静物画のモチーフとは違い、心を持った人間なんですから。それを忘れたら、いくら技法が優れていても、さびしい気がします。

「この場合はやっぱり「わからなかった」のだと思いました。」
そうなのかもしれませんね。その女性は自分は音楽を聴いていた。注意されてみると携帯にはカメラが付いているからいけないのだろう、それならipodならいいのだろう、と。

休憩時間に、一言「先ほどはすいませんでした」とキリコさんに謝ってくれれば、気持ちよくポーズを続けられたでしょうに。

男性モデルの場合はどうなんでしょう。大して気にしていないのではと思ったりもしますが、自分が男だからそう思うのかもしれませんが。Hiroさんに叱られてしまうでしょうか。かってなことを言うなと。

「男性ならセクハラ感情(?)が混じっている可能性もありますが」
厳しいご指摘です。そうならないよう日々精進いたしております。

女性が女性を見るときはそのような感情は全くないのでしょうか。
純粋に「美」そのものを追求しておられる、と。

信じられなーい

そんなことがあったのですね!私は撮影はされなかったのですが…

「写真機」だったら、さすがにふつうは遠慮するでしょう、けど「携帯カメラ」だからみんな軽く思うんでしょうか?

描き手と講師の対応も、なんなんでしょうね。
実際、怒らないモデルさんもいるかもしれないけど、その人も気づいてなかっただけかもしれないし。

過剰反応、ですか…
携帯カメラで無断撮影をするのはルール違反の異常行動?ではないのでしょうか?

でも理不尽ながらそう言われてしまうだけに、先方注意するときは、感情的になったら逆効果かもしれません。
どこへ仕事に行っても、事前に、ハッキリキッパリ言っておくなどすれば向こうもそんなにヘタなことはしないでしょう、多分。

がんばりましょうね!

初めまして!

Hiroさんのブログリンクからお邪魔させて頂きましたm(_ _)mNecoと申します。
私も美術モデルをさせてもらっているのですが、キリコさんのブログを拝見して、めちゃくちゃ共感致しました!!

私もポーズ中に、似たような事があったのです!
女性(若い)の描き手さんが、デジカメを出して自分の作品を撮られている様でした。直接私にカメラの先が向いていなかったにしても、やはりいい気はしませんでした…。『えっ!?』って思われてた他の描き手さんもいらっしゃったみたいでしたが、私も含め注意出来ませんでした(;_;)

たまにカーテンが開いたままの会場もあります…。
空調が壊れている会場だった時は、建物が周りに少なく暑い日だったので、それは仕方なくそのまま窓もカーテンも全開で続行しました(--;)途中で業者らしき人に見られてちょっとショックでした(-.-;)
閉めて欲しいと言える時は言っているんですが、会によっては半分だけしか閉めてくれない事もありました。それ以上はもう何も言えず…(;_;)
当たり前の様に開いてる会もあると、なんか疑問を感じます。
カーテン開いてるのはまだいいとして(実際は嫌ですが)、開始前に一言『カーテン開いてても大丈夫?』とか確認してくれてたた

初めましてなのですが…

書き込み出来るでしょうか?(・_・;)

負けないで

「私もモデルです」さんへ

大変でしたね。でもよく書き込みをしてくださいました。モデルさんが声を上げないと分かってくれないのですよ。キリコさんのブログなら安心です。誹謗中傷はキリコさんが遮断してくれますから。

「私、描き手さんが怖くなって、時々トイレで泣いたりします。」
いやな思いをして泣いてるモデルさん、声を上げてください。一人で悩まないで。

「私達、体を張って頑張ってますよね?具象美術の未来のために必要な存在だ!って自信持っていいのですよね? 時々分からなくなるんです。 」

描き手や講師の無理解に挫けそうになっても、自信と誇りは失わないでください。

負けないで。

すぐにコメントが表示され無かったので部外者は書き込み出来ないんだと思っていたら、文章は途切れてしまいましたが…ちゃんと表示されるんですね(^_^;)
使い方もよく分からないまま変な書き込みになってしまいすみませんでした…m(_ _;)m

共感の輪

Necoさん

さらにもう一人、モデルさんが共感のメールくださいましたね。
大勢のモデルさんが嫌な思いをされているのだと思いますよ。
キリコさんの投じた一石が共感の輪を広げています。

モデルさん同士では「こんなことがあった」とかメールを交換し合っているのかもしれませんが、ブログに公開していただかないと世論になりませんからね。いつまでもモデルさんに対する認識が変わらない。

ポーズ中に、デジカメを出して自分の作品を撮るなんて、無神経ですよね。
「私も含め注意出来ませんでした」 注意できない、というのが本音でしょうね。

注意しなかったのをOKだと解釈して、前回の人はOKだったのに、なぜあなたは文句を言うんだ、と言われてしまったらショックですね。

「たまにカーテンが開いたままの会場もあります…。 」

ブラインダーが壊れていて半開きになっている会場がありました。モデルさんはその窓をしきりに気にしていましたが、注意されませんでした。

その会場はカルチャースクールのクロッキー会の会場でしたが、その日はスクールの広報誌にクロッキー会の様子を掲載するためカメラマンが来てました。ポーズを始める前にモデルさんがカメラマンに「お願いだから写真を撮らないで」と頼んでいましたが、顔は撮らないからと写真を撮り始めました。

休憩時間にモデル台から降りてきて、私の隣に座ったモデルさんが「写真を撮ってるから気になって落ち着いてポーズできやしない」とつぶやくのが聞こえました。私にとって初めてのクロッキー会でしたが、最初に「美術モデルのつぶやき」を聞くことが出来たのは幸いでした。

いつまでも写真を撮り続けているため、モデルさんがたまりかねて「写真撮っちゃヤダ」と大声で叫びました。

「つぶやき」を聞くことが出来なかった多くの人々は、モデルさんの「叫び」の意味が理解できなかったかもしれません。ただのヒステリー女と思われてしまったとしたら、モデルさんがあまりにも気の毒です。

昔もありました

昔お願いしていたモデルさんが話してくれたお話です。
デッサン会のモデルを頼まれた。初心者が多いのは嫌だと断ったが,初心者はいないからと言われて引き受けた。ところが行って見ると初心者ばかりと言う有様だった。その上ポーズしているところを写真に撮られた。抗議したが会報に出す写真だと取り合ってくれなかった。悲しくなってモデル台の上で泣き出してしまい中途で帰ってきたということでしたが今でも非常識な会の責任者がいるのですね。
モデルさんの立場を守る世論を高めるための一助になればと思い投稿しました。

クロッキー会の参加規約

参加規約とお願い
1.モデルさんの写真撮影は出来ません。ポーズ中は、カメラの取り出しは御遠慮下さい。
2.モデルさんへのマナーを宜しくお願い致します。
3.ポーズ中は扉を閉めさせていただいております。途中参加も大丈夫ですが、出入りは20分おきにあるポーズ休憩中にお願い致します
4.当クロッキー会は真剣に絵を描きたい人のためのものです。ヌードを見るだけの卑猥目的など、絵を描く目的以外の方の参加はご遠慮いただいております。

これは、最近私が出席しているクロッキー会の参加規約ですが、ここに書かれていることは当然のことかもしれませんが、分かっておられない方もいらっしゃるでしょうから、モデルさんから注意される前に、主催者がはっきりさせておくべきでしょうね。
ただ規約を定めても、その内容をよく理解してもらわないと何にもなりませんが。

「何かマナー違反があった時も、ポーズが終わってから主催者さんに言うようにしたり、工夫しています。でも、なかなか難しいですね、言うのは(涙)」
モデルさんに精神的な負担をかけないようにすることが大切ですね。

「尊敬出来る先生の教室しか、仕事を受けないのがコツのように感じる五年目です。」
モデルさんのご苦労は深刻ですね。 がんばってください。

それから、会報に載せる写真というのも問題ですね。モデルさんの写真撮影をしていいものと勘違いされることもありえますし、会報にそのような写真は必要ないのではないでしょうか。


私にもコメントして下さった方がいて嬉しかったです!ありがとうございます★
キリコさんのブログのおかげで、今まで一人で複雑に感じていた事をこの場をお借りして他のモデルさんと分かちあえて嬉しかったです(^^)
事務所の方に相談するのは我が儘だとかと受け取られそうで中々言えず、泣きたい時もありました。
嫌なら辞めてしまえば済む事かも知れないですが…、美術モデルの仕事が好きだから続けているし、描き手さん達の創作意欲にも出来るだけ応えたいと思っています。
我が儘を言ってるのではなく、最低限のマナーを守って頂きたい事をわかってもらえたら嬉しいですね。
マナー違反していない人も無関係と思わずに、注意して欲しいです。
モデルが『裸』であるという事に慣れずに、気づいて欲しいです。
悲しいのはモデルに確認も相談もなくされてしまう事ですよね(;_;)

長くなりすみません。
有り難うございました。

感激です

Necoさん

「嫌なら辞めてしまえば済む事かも知れないですが…、美術モデルの仕事が好きだから続けているし、描き手さん達の創作意欲にも出来るだけ応えたいと思っています。」

この言葉、感激です。美術モデルが好きなんですよね。

辛くたって、美術モデルへの思いは捨てられない。
描き手にとって、モデルさんのこのような気持ちに心が洗われるような思いがします。

「モデルが『裸』であるという事に慣れずに、気づいて欲しいです。」
「空調が壊れている会場だった時は、建物が周りに少なく暑い日だったので、それは仕方なくそのまま窓もカーテンも全開で続行しました(--;)途中で業者らしき人に見られてちょっとショックでした(-.-;)」

女性である以上、裸に抵抗があるのは当然ですよね。それを見られるのが平気なのだろう、なんて思われたらショックですよね。

モデルさんは常に危険にさらされているのに、描き手は安全地帯で創作に没頭していられる。これって不公平だ。そんな罪の意識(それって何?)があるものですから、私もついテンションが上がってしまって。

いつまでも美術モデルの仕事が好きでいてください。

同じ事がありました

キリコさんはじめまして、私は五年目の美術モデルです。
私は、シニアのサークルで携帯撮影(無断)されて、指摘したら
「他のモデルは怒らなかった」って言われました。
予備校では、「構図を確認するために(デスケル代わりに)撮影
した」と言われました。
講師も謝ってはくれなかったので、校長先生に言い、結果その
予備校からは依頼が来なくなりました。
尊敬するキリコさんへ…
私達、体を張って頑張ってますよね?具象美術の未来のために
必要な存在だ!って自信持っていいのですよね?
時々分からなくなるんです。
携帯電話を出すだけで怖いのを、過剰反応だと言われるから。
私、描き手さんが怖くなって、時々トイレで泣いたりします。
(再投稿です)

キリコさんありがとう

キリコさんありがとうございます
キリコさんのおっしゃる通り、感情で怒っては、良くない結果
になるようです。
撮影についてや、扉の開閉や、冷暖房・敷き物…
相手が「知らなかった」「許されると思った」という部分を
ズバリ指摘してはいけないってつくづく感じます。
何故なら描き手さんは、裸婦を描くために会場に来られていて、
『マナー違反をモデルさんに注意されるかも』という心の準備が
ないのですから…
何かマナー違反があった時も、ポーズが終わってから主催者さん
に言うようにしたり、工夫しています。
でも、なかなか難しいですね、言うのは(涙)
…私達はヌードというわりに珍しい仕事をしているぶん、好奇
の眼で見られないように努力が要りますね。
キリコさんのように理知的になるのが、いまの私の目標です!

尊敬出来る先生の教室しか、仕事を受けないのがコツのように
感じる五年目です。
(再投稿です)

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